【もう限界】仕事の人間関係がストレスで疲れた人へ

仕事をしていれば、職場の人間関係にイライラすることがあるでしょう。さまざまな人間たちが一箇所に集まるので、うまくいかないことがあるのは当然です。「人間関係に疲れたよ。」と他人に言えるうちはまだよいのです。しかし、そのうちストレスがたまりすぎて手遅れになるかもしれません。

あなたが仕事の人間関係で辛い思いをしているのなら、放っておいてよいものではありません。辛い気持ちを我慢してきたのかもしれませんが、そんな気持ちが少しでもやわらぐようにと思いこの記事を書きました。

草薙龍瞬著『反応しない練習』(KADOKAWA)より言葉を引用させてもらっています。


心の反応を理解する

人はなぜ、悩み、執着を手放せないのか。なぜ日頃、さまざまな問題を抱えてしまうのか。そうした悩ましい現実を作り出しているのは、”心の反応”である

大切なのは、「心とは、そもそもそういうものだ」と理解しておくことです。心とは求めつづけるもの。それゆえに渇きつづけるもの

「そんな夢のない理解なんて、つまらない」と感じる人もいるかもしれません。ただ、「心は求めつづけるもの」と理解すると、不思議な心境の変化が訪れることがあります

朝起きてあまりにも眠い。仕事へ行きたくない。職場の嫌なやつと会うと思うだけで、ストレスを感じる。最近イライラばかりしている。精神的に消耗しすぎて、休みの日にも寝るばかりしてしまう。

これらはすべて、あなたの心の反応の結果です。たとえば同じ時間の通勤電車でも、仕事に行くのと旅行に行くのとでは気持ちが違います。電車に乗っている状態は同じなのに、心次第で感じ方は変わります。
人間の心はその時の状況によって、あっちへ行ったりこっちへ行ったりします。休みの日であれば好きなだけ寝られるのに、出勤の日は朝起きて仕事に行かなければなりません。「本当に休みたい。休みだったらいいのに。いっそ休もうか」と、どうにもならない現実を嘆きます。「寝ていたい」「好きなことをしたい」と願う心があなたを苦しめています。

心はいつも何かを求め続けています。朝何度でも何時間でも寝ていられる状態や、職場でストレスのない人間関係など、理想を追いかけます。もし解決したとしても、求め続けることに翻弄されている人は、別の苦しみに直面します。

人間はいつだって苦しいし、悩むし、嘆きます。生きていくことはそのようなものなんだなと理解すると、人間として大きな成長を遂げたと言えます。


承認欲にとらわれない

「他人の小さなことが目について、不満を感じてしまう」という悩みの正体は、「もっと自分を認めてほしい!」という承認欲だったりするのです

承認欲という、それまでの「心の渇きの正体」がわかるだけで、その不満状態から抜けてしまうのです

承認欲という「反応の原因」がわかれば、ずいぶんラクになります。「でも、あの人(家族・世間)に認められたところで、それが一体なんなのだ?」と超クールに考えられるようになります(ほんとに、それが一体何だというのでしょう)

正しい理解こそが、人生の苦悩を解く一番強力な”智慧”なのです

同僚からどうでもよいと思われていたり、上司から使えないやつだと判断されていたりすると、苦痛を感じます。せっかく仕事をして家に帰っても、家族が冷たければ傷つきます。
これらは「あの人に認めてもらいたい」という承認欲から生まれています。あなたが他人とのことで悩んだり不満だったりするときは、承認欲が大きく関係しています
現実では、他の人のことを完全に気にしないことは不可能です。しかし、周りの人にあなたがストレスを感じるとき、期待や承認欲が原因になっていると知りましょう。
つまり、人に認められるためではなく、自分の満足のためだけになすべきことをなしましょう。


承認欲は有効活用する

「承認欲」を満たしたいなら、そのための「正しい努力」をしましょう。三つの条件があります。
①認められたい気持ちをモチベーションにして、今の仕事・生活を「改善」していく
②どんなときも「自分のモノゴトに集中」する」
③「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする

承認欲は確かに苦しみを産みます。でも、承認欲がどうしても生まれてしまう人は、いっそ有効活用してみましょう。承認欲にとらわれなければいいのであって、自分に湧き上がる自然なものを否定する必要はありません。
「あの人に認められたい自分がいるな。よし、自分にできる仕事の下準備を一生懸命してみよう。たとえ認められなかったとしても、仕事の下準備をして損になることはない!」
こんな風に承認欲を仕事の改善につなげたらよいのです。必ずしも認められるわけではないことに注意してください。ですが、きっと清々しい気持ちになります。


自分で自分を分析してみる

「心の状態を見る」とはどういうことか。ここではその方法を三つ紹介します。
①言葉で確認する。
②感覚を意識する。
③分類する

あなたの感情はあなたが一番理解できます。イライラしていたりストレスがたまっていると感じたりしたら、言葉で確認してみましょう。

「あ、今はイライラしているな」
「朝起きたことにはいいが、会社に行きたくない。ベッドから出たくない。そう思っているな。」
「職場の〇〇に会うのが憂鬱だ。嫌だ。会いたくない。あいつに会うのがこんなにストレスなんだな」

口に出せる場所なら口に出してみましょう。朝、気持ちの整理をするために感情を紙に書き出してもよいです。あるいは仕事が終わった夜に、感じたことを書き出してすぐに捨ててもいいでしょう。

日常生活において、自分の感覚を意識してみます。
深呼吸して呼吸に集中する。
歩きながら足の運びや足の裏の感覚を感じる(歩きながら右足・左足と意識する)
鼻がかゆいときに、「あ、鼻が今かゆいな」、手でかくときも「鼻をかいている」と認識する

これらは一例です。なんとなく行動するのではなく、はっきりと意識して行ってみてください。最初は難しいかもしれません。次第に現在のことに集中できるようになります。
たとえば、通勤電車でも「ああ、これから仕事だな。しかも今日は月曜日。だるすぎる。はーーーあーーー」と思ってしまうのは、そのとき電車に乗っているという状態に集中できていないからです。「電車が動いている。自分は立っている。電車の音がする。隣の人がスマホをいじっている。」事実だけを観察してみてください。「だるいなあ」と思っているのは、そのときの状況に対するあなたの解釈です。妄想の一種で、自分で自分の首を絞めているだけです。
感覚を意識することで、怒りやイライラ、憂鬱などに左右されにくくなります

あなたのストレスの原因は何種類ありますか?

・職場の上司・同僚・部下
・仕事内容(仕事がわからない。体力的にきつい。プレッシャーが大きい)
・家庭が上手くいっていない

ストレスの原因を把握できていなければ、何と闘っているのかわかりません。大事なのは、何が自分を苦しめていて、どうすれば解決するのかを知ることです。
ストレスの原因と感情を分類してみましょう。分類して理解することで、なんとなく苦しんでいたものが、具体的な対象になります。


ムダな反応をしない

人間の心には、例外なく、判断しすぎる心がある

「自分も、他人も判断しない」ことが一番

しなくていい判断は、しないほうがいい

あなたはいつも判断ばかりしていませんか?
「あいつは嫌いだ」
「なんで俺はこんなにダメなんだ」
その判断は、役に立っていますか?

いろいろなことを判断してわかったつもりになることは、あなたを苦しめます。

たとえば仕事なら、「利益が上がる」「働きやすい環境につながる」「業務が円滑に進む」ような判断が正しいことになります。大事なのは「役に立つか」という視点です

「あの人は苦手、嫌い」「自分はダメな人間」といった思いがよぎったときは、「あ、判断した」と気づいてください

「人は人。自分は自分」という明確な境界線を引くのです

苦手な上司・嫌味な同僚・どうしようもない部下など、会いたくなくても会わなくてはいけない人間たちがいます。
おそらくあなたは仕事だからと割り切ろうとしています。でも、感情を抑えきれていないかもしれません。
こういう場合、判断しすぎない心が大事です。

たとえば仕事なら、給料を持って帰ることが重要です。そのための人間関係です。めんどくさい人がいるのはわかります。しかし、嫌な気持ちでいても利益にはなりません。あなたがストレスを抱えたところで、嫌なあいつは痛くもかゆくもありません。なので、得にもならない考え方や感情を持ってはいけません。すべての感情を感じる必要はないのです

あなたは大人です。感じたいことを選んで生きればいいのです。そのためには、嫌だとか辛い、しんどいなどの判断もしなくてかまいません。


今できることをやる

わたしはわたしを肯定する。そして、今できることをやっていこう、と考えましょう

本当は、今この瞬間に、なんの判断も必要ないのです。ただ「やってみる」だけ。そうやって「体験を積む」だけでよいのです

究極のところ、あなたはあなたにできることをやっていけばよいのです。仕事で困難なこと、嫌なことがあっても、やれることをやりましょう。
すべてが思い通りにはなりません。他の人たちもそうなのです。だからやるべきことをやったなら、あとは成り行きに任せれば十分です。

「できるか不安だな」「やってみても意味ないかな」など、判断をしすぎて自分の幅を狭めないようにしましょう
とりあえずやってみればいいだけです。人生の体験を大切にしてください。もし失敗しても「失敗したから意味がなかった!」と、判断に踊らされてはいけません。「またやってみーようっと!」と心軽く生きけばいいのです。


相手の感情は相手に任せる

「感情に悩まされている」というのと、「相手とどう関わればいいのか」は、別の問題相手と自分の反応を分けて考える。相手の反応は相手にゆだねる

たとえば仕事で嫌な人がいたとします。嫌なことを言われることがあるから嫌なのか。恐い雰囲気の人でどう接したらいいのかわからないから嫌なのか。これらは種類が違います。
前者は実際に何か嫌なことを言われていて、感情を害しています。しかし後者は、相手と上手くコミュニケーションがとれていないがゆえに起こる不安です。
相手のことをよく知らないのに、「判断」することで苦手意識を持ってはいけません。相手と話すのが無理であれば、仲が良い人や周りの人にその人のことを聞いてみましょう

相手のことをよく知ってても知らなくても、他人の気持ちをコントロールすることはできません。気に入られようと振る舞ったとして、気に入られるかどうかは相手しだいです。相手の気持ちは相手のことなので、あなたは自分がやるべきことに集中しましょう


距離を置く

なかなか踏み切れない人もいると思いますが、「関わりを断つ」というのは、関係をやり直すのに必要なこともあるのです。理想は、①過去の記憶にも、②現在の相手にも、反応しなくなるまで、距離を置くことです。物理的に、あるいは時間的に、です

人生ではどうにも分かり合えない人間と出会うものです。コミュニケーションをとって、なるべく良い関係を築けるようにと苦労したでしょう。
しかし、どうにもならなければ距離を置くのもありです。あえて心をいじめる必要なんてないのですから。


仕事が終わっても仕事のことを考える時

相手と別れてもなお腹が立ってとまらないときは、「これはただの記憶」「反応している自分がいる(相手は関係ない)」と冷静に理解して、感情を静めるように心がけましょうわかっておきたいのは、「妄想には確かめるすべはない」ということです

確かめようのないことをどこまで追いかけるかは、あなた次第です。
ただ大切なのは、自分自身の人生の「目的」を、はっきりさせることです

仕事が終わったのに、いつまでも仕事中にあったことを考えていませんか?
「あいつにあんなこと言われた」
「理不尽に怒られて腹が立つ」
「相変わらず余計なことばっかりしてるやつだ」
などとプライベートな時間でも考えているとしたら、身が持ちません。
考えてしまう気持ちはわかりますが、やはりそれはあなたの責任です。心のなすがままに翻弄されていては、憎しみに取り憑かれてしまいます。
嫌だった思い出を振り返って、心を反応させることはやめましょう。無意味です。そしてあれこれ考えたところで、想像の産物を確かめる方法はありません。
腹が立つ妄想に時間を使うよりも、今の生活を充実させましょう。
あなたはどんな人生を送りたいのですか?他人を妄想して一生を終えたいのですか?
あなたの人生が素晴らしくなることだけが重要なはずです。
どうすれば素晴らしくなるか、心の奥底でわかっているでしょう。勇気を持って自分が納得できる一歩を踏み出してみてください。