ラクスパ鶴見に行ってきた。駅から無料バスが出ていて、アクセスがとても良い。ラクスパのバスは全体が真っ赤でよく目立つ。バスが近づいてきた瞬間に、あれに間違いないと確信できるほどである。
バスの利用客は意外に多く、すぐにいっぱいになった。目立ったのは、大学生風の小集団である。夏休みだからか、サークルの友達同士のような雰囲気で、ギャハギャハとバスの後方で騒いでいる。自分も大学生の時はあんな風にうるさかったかなと振り返ったが、そういうタイプではなかった。彼らは大学生だからといってうるさいわけではない。大学生の中でもああいうキャピキャピした感じに馴染めない人は多くいる。いつの間にか、「大学生で子どもだからあんなものだろう」と、カテゴライズしそうになることに気がついた。こうして考えることなく頭に負担がない整理をしていくことで、人間はボケていくのだろう。
バスの中はうるさかったが、心機一転スパは落ち着けるだろうと思っていたのに、その期待は裏切られた。バスにいたような若者連中がラクスパ鶴見を闊歩している。大学生どころではない。中高生がやかましくして、漫画を読む広場でもべちゃくちゃ喋り合い、不愉快極まりない。幼稚園児や小学生の方が、まだ大人しく漫画を読んでいる。中高生特有の、同性どうしで身体を引っ付けあって馴れ合い喋りこづいたりするあの感じ。全体的に休憩スペースは人の往来が多い。ちょこまかちょこまか常に人が動いていて、せわしない。うっわと思ってしまう中高生だけならまだしも、小さな子どもも静かにしている子ばかりではないので、カオスである。この事実は裏返せば、うるさくしないと生きていけない部類の人間にとっては、最高の空間だということだ。小さい子どもがいる家族連れでも、ラクスパ鶴見なら心置きなく連れていくことができるだろう。週末のファミリー街を背負って立つショッピングモールのフードコートと言っても差し支えない。私はファミリーと若者でごった返す温泉付きフードコートに来てしまったのだ。
温泉の中も、状況はそれほど変わらない。平日にも関わらず人が多かった。人が多いのはかまわないのだが、騒がしい。コロナも変わりなく流行っているというのに、一ミリもそのような状況を感じない。温泉の種類はそこそこあって楽しめるものの、静かに落ち着いて疲れを癒す空間とは思えなかった。温泉の質は、そもそもスパ施設なのだから期待していないし、いい意味で期待を裏切られることもなかった。露天の硫黄温泉は良いのでは。ウォータークーラーで水を飲もうとして水が出なかった時、悲しかった。
帰りのバスで、窓際に座っていると、水が垂れてくる。一体どういうことかと上を見たら、クーラーの吹き出し口周りが結露していて、そこから水滴が落ちてきているのだった。頭や服を濡らしながら、駅まで大人しく座っていた。もはや何も言うまい。
このスパの評価がなぜ高いのかと考えたのだが、やはりある種の人たちにとってはこの上ない施設なのだろう。神経質な私にとって、22歳以下の子どもたちが飛び跳ねているスパでゆっくりする才能はなく、わざわざバスに乗って訪れ、スパにお金を払ったのを少し後悔している。しかし、これほどゴミゴミして年齢層が若いスパがあるものなんだなと勉強になったから、よしとしよう。