【精神的対処法】寝付きが悪いというのは

「寝付きが悪い」を解消するには、心の安定・自分への信頼が大切だ。

極端な話、知らない人からピストルを突きつけられているのに、安眠できる人などいない。過酷な環境で眠れる人がいるが、これは場馴れしていて、外の喧騒とは裏腹に心は安定しているからである。

睡眠、寝付きにおいて重要なのは、自分への信頼と人生の限界への理解である。明日を恐れるあまり、今日を延命させようとする気持ちはよく分かる。だが、どんなにがんばっても、一日は24時間である。24時間もあるという視点と、24時間しかないという視点は矛盾しない。明日の訪れを否定し、今日の足にすがるなら、不眠の悪魔があなたを蝕むだろう。

あなたは、一日を肯定する勇気を持っているか。たとえ不甲斐ない一日を過ごしてしまったとしても、明日はきっと良い日にできる。それを信じることができない人は、何にもならなかった今日を捨てることさえできず、心の廃棄物を処理できないまま、生活の汚染を広げてしまうのだ。

逆に、楽しすぎる一日を過ごしてしまって、明日の仕事が憂鬱になる夜もあるだろう。しかし、その一日は、明日を憂うあなたをつくるために存在したわけではない。今日のあなたが終えたくなかった今日は、かつてあなたがあれほど心配した未来の先にある一日だったのだ。そして、明日以降の日々の中にも、この日を失いたくないと思える一日があなたを待ってくれている。

あなたはあなたを肯定する権利がある。根拠がなくてもいいし、立派である必要もない。ただこの世に生を受けた事実を受け止め、無条件に自分自身を認める勇気を持てば良い。自己への信頼が昨日の失敗を認め、今日の通過を見守り、明日への期待を生み出すのである。